YKBの介護改革 ~介護業界をより良くするために~

介護業界を少しでも良くしていきたいと考える、自費介護サービス「YKB株式会社」代表のブログです。

介護業界をより良くするために

~ I live my own life ~
人生を自分らしく生きる

私たちは、高齢者や、障がい・ご病気をお持ちの
介護の必要な方に充実した生活を、
そして、そのご家族の皆様にも、
充実した生活を送っていただくために、
お手伝いをさせていただきます。

抱き上げ介護が本当に「あたたかい介護」だろうか

みなさま、おはようございます。

自費介護サービスYKB代表の吉田です。

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●抱き上げ介護が本当に「あたたかい介護」だろうか

スウェーデンやデンマーク等、北欧の福祉先進国と呼ばれる国々の介護方法について、介護業界に勤めるものは研修等で触れることが多くあります。
日本の介護と欧米諸国の介護方法には、大きな違いが1つあります。

それが「移乗介助」です。

欧米での移乗介助は、ほとんどがリフト等の機器を使って行いますが、日本はそのほとんどが「抱き上げ介護」です。
ベッドから車いす、その逆も然り。その他、トイレへの移譲や入浴時もすべて抱きかかえての介護である。

この抱き上げ介護には大きく2つの問題点があります。

先ず、介護者の腰痛問題。
介護の仕事には腰痛がつきものですが、この多くは移乗介護時に起こってしまいます。
中には体の大きな高齢者もいますし、なによりも中腰での介護は、腰に負担がかかってしまいます。

次に、高齢者の身体的負担です。
脇の下に介護者の両手が入ってくることで、皮膚の擦過傷や、酷い時には裂傷に繋がる可能性もあります。

このように、抱き上げ介護には良い点は見つからないのですが、日本の介護からはなくならないのです。
特にベテランの方々は、ずっと抱き上げ介護でしたから、「タイミング」や「声掛け」で問題なくできると考えている人も多いです。
抱き上げでの移乗を上手くできないや移譲で腰が痛い等の意見を口にするものなら、「まだまだ修行が足りない」等のレッテルを貼られます。
介護現場はラーメン屋みたいに(ラーメン屋さんに怒られますね・・・スミマセン)「仕事は見て覚えろ」的な職人気質の職員が多いのも原因と思います。

抱き上げ介護は高齢者にも介護者にも、良いことは何もないという事実を受け止め、日本の介護業界も考えを変えていかなくてはいけないと思います。

そんな中で、オリックスリビング株式会社では、積極的にリフト機器を導入しています。

オリックスリビング株式会社のホームページはこちらから

そんなオリックスリビングの現場職員からは、リフト導入について前向きな声も多く聞こえてきているようです。最初は慣れず、抱き上げての介護より時間がかかることから面倒との声もあったようだが、そんなのは研修で解消できること。利用し続けることで慣れることで解消されること。
介護者は体の負担が減ることで気持ちのゆとりが増え、高齢者とのコミュニケーションも相乗効果で増えているとの話も多く聞きます。
そして、移譲時抱き上げ介護では、高齢者の顔を見ることがほとんどできないが、リフトを使用すれば顔を正面から見据えながら介護でき、これもコミュニケーション増加の一因となっています。

機器を利用することは冷たい介護ではなく、あたたかい介護であるという常識が、早くこの業界に浸透してほしいと切に願っています。


(文中の意見や言葉は、筆者の個人的見解です)




介護人材確保対策② ~仕事のやりがいについて~

みなさま、こんばんは。

自費介護サービスYKB代表の吉田です。

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介護人材確保対策② ~仕事のやりがいについて~ 

賃金の次は「仕事のやりがい」についてお話をさせていただきます。


1.仕事が早い人が「出来る人」と評価される                      

介護現場はどうしても時間に追われてしまいます。
施設介護であれば、お客様の介護をする他に雑多な業務をこなしていかなければなりません。
デイサービスであれば、お客様が集まった後、限られた時間の中で入浴や食事を終わらせなければなりません。
訪問介護であれば、訪問時間の限られた中、ケアプランで決められたサービスをこなさなければなりません。

ですので、仕事の早さが求められることになります。

私も仕事の早さはとても重要と思いますし、老人ホームの管理者をしていた頃や現在も、仕事の早さは評価基準になっています。
ただ、早ければ良いというものでもありません。
早さを求めるが故に、少々雑になっているではどうしようもない。

早く仕事を終えた先の行動が一番重要です。
間接業務等を丁寧にテキパキこなし、余らせた時間で、ゆっくりお客様のケアをする。
そして時間に余裕があると、ナースコール等、お客様の要望時にしっかりと対応できるのです。
ここで時間に余裕がないと、忙しそうな姿をお客様に見せてしまい、いらない気遣いをさせてしまうだけでなく、不快な気持ちにさせることもあります。

この一番大事な、早く仕事を終えた先の行動はあまり評価されず「とにかく仕事の早い人」が評価され、新人さんが驚くことも多くあるのではないでしょうか。
そして、せかせかしている中、しっかりと仕事も教わることができずに、新人さんが早期退職に繋がることもあるでしょう。

退職者が多いなと悩んでいる事業所は、職員の評価基準を今一度見直してみましょう。

2.介護は「クリエイティブ」な仕事

介護の仕事はどんな仕事と質問されると、
お食事のお手伝い
お風呂のお手伝い
トイレのお手伝い
等々・・・
具体的な身体介助やお部屋の掃除等、所謂、お手伝いする内容を回答する方が多いのではないでしょうか。

介護の仕事は本当はクリエイティブな仕事なのです。

介護の目的は自立支援です。
お客様の残存機能を踏まえ、お客様やそのご家族の要望にどのように沿っていけるか。
入浴・排泄・食事等の直接的な身体介助は、その要望に沿えるようにするお手伝いの一部であり、介護の仕事はそれだけではないのです。

例えば、飲み込む力が落ちてきてきた方が、「美味しいものを食べたい」との要望があり、ご家族も同意されていたら、介護職はどのようなアプローチをするか。
普通の食事を食べることができるような訓練
外食するのであれば、長時間座っていられるような筋力維持を目的としたリハビリ
をし、繰り返し評価していく。

このように、お客様の要望はお一人お一人違い、その他にご家族様の要望もあります。
正に十人十色です。
様々なニーズを受け、できることを考え、プランを提供し、繰り返しの評価をしていく。

介護って、とてもクリエイティブ力が必要な仕事と思いませんか?


3.クリエイティブ力を育成する研修やその評価基準を設ける

様々な介護現場に入らせていただき、その現場ごとの研修内容を見ると、介助方法、高齢者虐待防止策、認知症ケア、感染症対策等々、具体的なケア方法や法令に関する研修が多いです。
私は、ケースに合わせたクリエイティブ力を育成する研修がもっと必要と考えます。
上記2.で書かせていただいたとおり、お客様の要望に応えるには、考える力・創造する力が必要です。

ケース設定をし、皆で考え意見する場を増やすことで、各介護現場で行われているケアカンファも有意義な時間になるでしょうし、ただ仕事をこなす介護職員ではなく、本当の介護職を育成することができるのではないでしょうか。


4.まとめ

介護人材を確保する。
就業希望者は勿論賃金も就業者先選択基準の多くを占めますが、仕事のやりがいや成長できる職場も選択基準となっています。
人材難で悩んでいる事業所は、クリエイティブ力を育成する研修制度の確立と第3者が見てもしっかりとした評価基準をもうけ、仕事のやりがいを感じる職場を造ることができれば、人材難解消の一歩となれるでしょう。


(文中の意見や言葉は、筆者の個人的見解です)

介護人材確保対策① ~賃金について~

みなさま、こんばんは。

自費介護サービスYKB代表の吉田です。
今回から3回に分けて、私の考える介護業界の人材確保策を書かせていただきます。

決算











介護人材確保対策① ~賃金について~

先ずは、切っても切り離せない「賃金」について。

介護業界は給料が安い。
これは、一般的に持たれている介護職のイメージでしょう。

では、実際の介護職の賃金はいくらくらいなのか、福祉施設介護員の賃金を見てみましょう。

・平均年齢:39.7歳
・勤続年数:6年
・労働時間:165時間/月
・超過労働:4時間/月
・月額給与:223,500円
・年間賞与:479,000円
・平均年収:3,161,000円

出典:厚生労働省「平成27年 賃金構造基本統計調査」
※平均年収は、きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額にて計算。

この金額を見て、みなさまはどう感じるでしょうか。

介護保険制度は2000年から始まり、まだ歴史の浅い業界です。
離職率も高く、1か所に長く勤める職員が多くありません。
このような理由から、長く勤める職員が少ない中で平均賃金を出すと、どうしても少なくなってしまう現状があります。
とはいえ、事業所の中には定期昇給制度が無いところや、キャリアアップに合わせた昇給制度が無いところも多くあります。
安定した収入を得ることができる業界とは言えない。
そして、介護職員の中には「精神的・肉体的に酷使する仕事の割には少なすぎる」と感じる方が多いでしょう。

そんな中、介護事業を営んでいる企業は、人材確保のため様々な策を練っています。
・資格取得支援
・住宅補助
・研修制度
他にもたくさんありますが、様々な案を出しても人材確保できないのが現状であり、何年も前から克服できない状況です。

克服できないその理由は何か。
人生設計のできない賃金体系だからです。

社会人になってからの人生、様々なイベントがあります。
結婚、出産、子どもの進学、自分自身の高齢化等々・・・。
年齢を重ねるごと、お金は必要なのです。

人生設計のできない賃金体系では、長く勤めるのは正直難しい。

各事業所は、定期昇給制度とキャリアアップに合わせた昇給制度の両立を整備する必要があります。
そして、安定的な経営ができるよう、「顧客確保の視点」と「介護報酬を決定する政治への興味」を持つことがとても重要になってきます。

今後、介護保険利用者の給付抑制と介護事業所への介護報酬抑制は進む一方です。

どうすれば良いのか、どうしていかなければならないのか。
経営者だけでなく、介護業界に携わる人は考え行動し、皆で良い業界にしていかなければなりません。

(文中の意見や言葉は、筆者の個人的見解です)





介護現場での高齢者虐待の原因は人員不足と業務過多なのだろうか

みなさま、こんばんは。

自費介護サービスYKB代表の吉田です。

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介護現場での高齢者虐待の原因は人員不足と業務過多なのだろうか

読んでくださっている皆様は、どう思いますか?

先日興味深いアンケート結果が公表されていました。

UAゼンセン日本介護クラフトユニオン(NCCU)が出した、高齢者への虐待に関するアンケートの結果です。

介護のニュース「JOINT」のページはこちらから
 
高齢者への虐待について、考えられる原因を3つまで選択してもらった項目をみると、
最も多いのは54.3%の「業務の負担が多い」とのこと。
その他は、
48.9%の「仕事上のストレス」
42.8%の「人材不足」
35.3%の「職業倫理や介護理念の薄れ」
等々。

 
自由記述の欄では、
 
「虐待の1番の要因は人材不足と過密労働。大幅な改善は難しい」
 「報道される事件は氷山の一角。結局は職員の感受性による所が大きいものの、職業倫理を浸透させるような時間や余裕はない」
 といった意見がみられました。

そして記憶に新しい、川崎の有料老人ホームでの職員による殺人事件。

その時期にネットの中では、
「介護職の私たちも入居者から虐待を受けている」
というニュアンスのTwitter等を多く見る機会がありました。。

匿名だからということもあるのだろうけど、あからさまに我々も被害者だと発言している様をみて、驚愕したことを今でも強く覚えています。

高齢者虐待は単純な話ではありませんが、「介護は人員不足で大変だから」「介護業界は業務負担が多いから」「介護職員も虐待を受けているから」という理由が、介護職員が起こす高齢者虐待事件を正当化する原因とはなりませんよね。
そして、高齢者虐待の多くは家族が起こしているということ。

では、どうしたらよいか。
家族による介護負担を軽減するため、公的介護サービスを内容や金額等、様々な面から拡充する必要があります。
これは、現在の政府案でも特養の増設や介護職員の処遇改善策が出ています。

その流れで、高齢者の受け皿が増えたとしても、介護のプロが虐待を起こしていたら本末転倒です。

介護現場での介護職員の業務負担を減らす策としては、可能な業務は全てアウトソーシングし無駄な業務を省くこと等、業務改革はもちろんですが、介護職員のレベルアップも必須と考えます。

認知症ケアといっても、高齢者お一人お一人に対し、対応は違ってきます。
そして、その症状は本当に認知症の周辺症状なのか、若しくは、薬の副作用なのか。それとも、他の上記からきているものなのか。
その判断を間違ってしまうと、対象のお客様の症状も改善されず、職員の業務負担は拡充するばかりです。
介護のプロとして知識や技術の習熟することと、医療部門との強い連携と協力体制が重要ですね。

上記NCCUのアンケート結果の記事に、
「虐待を無関係と思うのではなく、自分とすぐ隣り合わせにある問題として捉えている、介護職員の強い問題意識がうかがえる」
とありました。

今そこにある危機として、介護のプロ達皆が問題意識を持つことが、介護業界をより良くする第一歩と考えます。

(文中の意見や言葉は、筆者の個人的見解です)



お客様の立場で物事を考えることができているか

みなさま、おはようございます。

自費介護サービスYKB代表の吉田です。

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お客様の立場で物事を考えることができているか

介護業界に限らず、一つの業界にどっぷりつかると、その業界の常識に固執し、一般的な「常識」から離れてしまう傾向にあります。

介護現場は忙しい。

忙しいと、目線が「お客様」から「従業者側」になりがちです。

従業者側の目線で、介護という仕事を考えると、ケアの向上は勿論、「認知症」そのものの理解も深めることができないのではないでしょうか。

例えば、

認知症をお持ちの高齢者の中で、女性に多く見られると感じますが、ティッシュ等の紙類を必要以上に集める方がいます。
その方に、「そんなに沢山持っていてもしょうがない」や「他の人も使うものだから、そんなに持っていかないでくださいね」等の声かけでよいのでしょうか。
紙を持っていることで「安心」している方への対応としては間違っていますよね。

ナースコールを頻繁に押す人に対して、「さっきも伺いましたよ」や「もう用事は済ませましたよね」等の声かけでよいのでしょうか。
ナースコールを押し、仰った要件の裏に、本当の「不安」が隠れていると思います。

頻繁にトイレに行く方に対し、「さっきも行きましたよ」等の声かけでよいのでしょうか。
頻繁にトイレに行くという行動の裏に、トイレ以外の本当の「要望」があるのではないでしょうか。
そして、頻繁に行き排尿があるのであれば、医学的な問題はないのでしょうか。

転倒リスクの高い方で、夜間トイレに行くことが多い方に、「オムツをしているからトイレに行かなくて大丈夫ですよ」等の声かけでよいのでしょうか。
これは、人権的にも論外とは思います。

等々、挙げればキリがありません。

目線が「お客様」から「従業者側」になってしまうと、上記のような声かけが増えてきます。

確かに現場は忙しく、人材不足です。

介護職員不足が最重要課題ですが、介護職員個々のスキルアップもとても重要。

お客様の中には、「寂しさ」からくる言動も多くあると思います。

寄り添う介護ができる職員が増えてくれることを願います。

(文中の意見や言葉は、筆者の個人的見解です)



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