YKBの介護改革 ~介護業界をより良くするために~

介護業界を少しでも良くしていきたいと考える、自費介護サービス「YKB株式会社」代表のブログです。

介護

~ I live my own life ~
人生を自分らしく生きる

私たちは、高齢者や、障がい・ご病気をお持ちの
介護の必要な方に充実した生活を、
そして、そのご家族の皆様にも、
充実した生活を送っていただくために、
お手伝いをさせていただきます。

その会議必要?

みなさま、こんばんは。

自費介護サービスのYKBです。

約1か月ぶりの記事アップです・・・。
もっと頻度を上げなければですね。

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●その会議必要?

数多くの介護施設に出入りしてきましたが、本当に無駄な会議が多いと感じています。

施設の全職種が参加する施設会議。
各チームで行うチーム会議。
各役割で行う業務会議。
お客様へ提供しているケアの振り返りと今後の検討をするケアカンファ。

挙げればキリが無いほどの会議があります。
そして、職員のほとんどが、そのすべての会議に参加します。

その他に研修もあり、1か月に参加しなければならない研修や会議が山ほど。
介護現場は日常的に人手不足であり、身体的精神的疲労がある中で、時間外で会議をするとなると、疲れが取れません。

会議を行うことを全否定するつもりはありませんが、無駄な内容が多いのです。
ここで無駄と言っているのは、各会議の内容が重複していることと、資料を渡せばそれで済むことを永遠と話しているということ。

施設全体での会議では、施設の収支や人事関係の話、今後の施設方針会社方針等を管理者から話すことが多いと思いますが、これ話す必要あるとは思いません。
伝えたいのであれば紙ベースで渡すか、回覧するか、職員間でLINEグループを作って、その中で情報共有するか。
それだけで済む内容ではないかなあと。

そしてチーム会議やケアカンファ、施設会議でも、お客様個々に対するケアを検討することも多いと思います。起きてしまった介護事故の事故防止策等も検討することもあるかもしれません。
会議帯が変わっても話す内容が同じ事、普段の業務内でも話し合っている事を、改めて人を集めて会議をすることが無駄なんですよね。

会議をする事、会議の準備をする事が仕事になっているのです。

施設収支は部屋が埋まることで収入の上限がきますので、利益を上げ続けるには経費節減が必須であり、残業代減に注力しているところも多いです。
そんなに残業代気にするなら、無駄な会議をやらなければ良いのにと思います。

無駄な会議を減らして、重要な研修の時間に充てる方が、よっぽど労使共に有益です。
職員の拘束時間を減らし、身体も心もリフレッシュしてもらい、生産性の高い仕事をしてもらった方が、事業所の利益になります。

各事業所の皆様、無駄な会議を減らすことをお勧めします。

(文中の意見や言葉は、筆者の個人的見解です)





改めて認知症ケアを考えてみた

みなさま、おはようございます。

自費介護サービスYKB代表の吉田です。

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●改めて認知症ケアを考えてみた

介護現場で働いていて認知症ケアは切っても切り離せないものです。
一つに認知症ケアと言っても、医療面からのアプローチと介護面からのアプローチでは大きく違います。
ここでは、介護面からのアプローチについて話します。

①介護が目指す認知症ケア
介護が目指す認知症ケアは治すことが目標ではありません。
中核症状と言われている記憶障害や見当識障害治すことは困難です。
BPSDをなくすのは難しいかもしれませんが、限りなくゼロに近づけて、利用者が落ち着いた生活を過ごしてもらうことが出来るよう、アプローチすることです。

②BPSDとは
介護職には当たり前の言葉となったBPSD。周辺症状とも言います。
昔は問題行動なんて言っていた時期もありましたね。
このBPSD、代表的なものは暴力行為や徘徊等が挙げられます。
このBPSDには利用者個々に理由が必ずあります。
その理由を見つけだし、BPSDをなくしていくようアプローチすることが必要です。

③BPSDにも個人差が
前記②でも書きましたが、個人個人BPSDが出る理由は違います。
認知症を医学的に分類すると、アルツハイマー型・脳血管性・レビー小体型・ピック病等々、複数に分類されています。
医学的な分類に合わせ、介護的な観点から、「何故このようなBPSDがでるのか」を利用者個々で検討していく必要があります。

④認知症を発症した方々は自分の世界を作り出す
認知症を発症し中程度の進行が認められる方々は、自分の世界を作り出すことが多いです。
一番自分らしい時代に戻っている。
理想の自分になっている。
などなど。
この自分の世界はBPSDをなくすためにはとても重要です。
介護する側が、その方の世界を理解せずに、現在の世界の中でケアをしても、ケアを受ける利用者は理解できず、余計に穏やかな生活が送れなくなります。

⑤介護現場で陥りやすい問題
介護職は認知症ケアについて必ずと言っていいほど勉強をします。
資格取得の際には確実にカリキュラムに入っていますし、働き始めてから事業所での研修もあります。
認知症とは、中核症状とは、BPSDとは、認知症ケアは利用者に寄り添うことから、などなど。
確実に学んでいるのに、それをあまり活かしきれない介護職が多いように感じます。
基本は基本として、認知症ケアに重要なのは応用です。
例えば徘徊。
ずっと歩いている理由には何かあるはずなのです。
その理由を考える際にとても重要なのが、その利用者の生活歴にあります。
その方が歩き続ける理由。どこかに行きたいのか、何かをしたいのか。個々人によって違いはあり、個々に合わせたケアが必要になってきます。
介護現場で認知症ケアに注力をしていないところでは、徘徊をする理由が乏しかったりします。
トイレに行きたいのではないか、夕方になると落ち着きがなくなる人は多いから、などで済ましてしまい、その徘徊という行動を抑制することだけに頭がいってしまうのです。これでは、BPSDをなくす介護ではなく、BPSDを抑える介護ですね。
認知症ケアというものを知っていても、応用を効かせ個別ケアを提供できずにいる介護現場が多いと思います。
この問題、理解度が低いだけでなく、人員不足からも考えられます。
施設介護では個別ケアをしたくても、その利用者個人に職員一人付きっきりできない現実があり、日々、大事なことが薄れていくことも正直なところです。

⑥最後に
認知症ケアに重要な事。
その人の世界の住人になること。
我々介護職は、演技力が必須だと思います。
その方の行動を抑制するのではなく、その方の世界を理解し共存することが、BPSDを減らすことに繋がり、利用者が穏やかに過ごすことができます。
その様な利用者が増えると、施設介護現場全体が穏やかになり、介護職も働きやすい現場になります。
認知症ケアの充実は、利用者のためだけでなく、介護者のためでもあるのですね。

(文中の意見や言葉は、筆者の個人的見解です)



お客様の立場で物事を考えることができているか

みなさま、おはようございます。

自費介護サービスYKB代表の吉田です。

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お客様の立場で物事を考えることができているか

介護業界に限らず、一つの業界にどっぷりつかると、その業界の常識に固執し、一般的な「常識」から離れてしまう傾向にあります。

介護現場は忙しい。

忙しいと、目線が「お客様」から「従業者側」になりがちです。

従業者側の目線で、介護という仕事を考えると、ケアの向上は勿論、「認知症」そのものの理解も深めることができないのではないでしょうか。

例えば、

認知症をお持ちの高齢者の中で、女性に多く見られると感じますが、ティッシュ等の紙類を必要以上に集める方がいます。
その方に、「そんなに沢山持っていてもしょうがない」や「他の人も使うものだから、そんなに持っていかないでくださいね」等の声かけでよいのでしょうか。
紙を持っていることで「安心」している方への対応としては間違っていますよね。

ナースコールを頻繁に押す人に対して、「さっきも伺いましたよ」や「もう用事は済ませましたよね」等の声かけでよいのでしょうか。
ナースコールを押し、仰った要件の裏に、本当の「不安」が隠れていると思います。

頻繁にトイレに行く方に対し、「さっきも行きましたよ」等の声かけでよいのでしょうか。
頻繁にトイレに行くという行動の裏に、トイレ以外の本当の「要望」があるのではないでしょうか。
そして、頻繁に行き排尿があるのであれば、医学的な問題はないのでしょうか。

転倒リスクの高い方で、夜間トイレに行くことが多い方に、「オムツをしているからトイレに行かなくて大丈夫ですよ」等の声かけでよいのでしょうか。
これは、人権的にも論外とは思います。

等々、挙げればキリがありません。

目線が「お客様」から「従業者側」になってしまうと、上記のような声かけが増えてきます。

確かに現場は忙しく、人材不足です。

介護職員不足が最重要課題ですが、介護職員個々のスキルアップもとても重要。

お客様の中には、「寂しさ」からくる言動も多くあると思います。

寄り添う介護ができる職員が増えてくれることを願います。

(文中の意見や言葉は、筆者の個人的見解です)



自宅で看取ることの難しさ

みなさま、こんばんは。

自費介護サービスYKB代表の吉田です。

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自宅で看取る

自宅で死を迎えることを望む方は多くいらっしゃいます。
現行制度での課題等を含め、自宅で看取ることの難しさを書かせていただきます。


1.介護予防・日常生活支援総合事業

平成27年4月より、介護認定にて要支援者と認定された高齢者は、介護保険から各自治体でのサービスに段階的に移行されています。
これを介護予防・日常生活支援総合事業といいます。

厚生労働省の介護予防・日常生活支援総合事業のページはこちらから

住み慣れた地域で最後まで。
人生の終末期を自宅で過ごし、最後を迎えることの出来る地域づくりを目標としています。


2.自宅での終末期介護事例

弊社のお客様で、自宅で終末期を迎えた方がいらっしゃいました。
最後はショートステイ先にてご逝去されましたが、そこに至るまでは、ご家族の多大なる努力がありました。

その方は、90代女性、要介護4(最後は要介護5だったと思います)。
週2回のデイサービス、週1泊~2泊のショートステイ、月2回の訪問診療を受けながら、ご自宅にて娘さんと生活されていました。

ご自宅内は、手すり等に掴まり独歩可能でしたが、たまに転倒されることもあり、また、食事の準備等はご自分で出来無いので、自宅にてお一人にすることができない状態。
娘さんはお仕事をされており、デイサービスやショートステイ利用時に仕事をこなし、その他の時間は、母親と一緒に過ごすという毎日。

娘さんの介護軽減と、デイサービスやショートステイを利用出来ない時のお仕事中の介護を、弊社にてお手伝いさせていただいておりました。

今年の夏に体力が著しく低下し、月の半分はショートステイで生活されることになり、ご自宅での生活はベッド上での寝たきり生活となる。
月10日程度のショートステイと週2回の訪問介護(清拭1時間)、週1回の訪問看護を利用するだけで、介護保険を全て利用してしまい、その他の時間は、娘さん一人で食事介助・排泄介助・見守りをされていました。

介護保険サービスと弊社のような介護保険外サービスを利用しても、その他の時間は娘さん一人。
脱水症状のあった際は、娘さんは寝ずの番だったようです。

弊社のような介護保険外サービスを利用されていたからこそ、少しは娘さんの介護量は軽減されていたと思いますが、そうでなければ、相当な肉体的精神的疲労であっただろうなと推測されます。

でも、これが現状なのでしょう。

自宅での長期的な終末期介護を無理なく行うには、介護者は最低3人は必要ではないかなあと感じます。

頭から親の介護を忘れる時間と、体の休息は介護者にとって重要なものであります。

この娘さんは、仕事と介護を両立し、しっかりと母親を看取られました。
しかし、その肉体的精神的疲労というものは、他人には計り知れないものであります。


3.自宅で看取ることが難しい理由

上記の事例からも、介護保険にて受けることの出来るサービスは限られています。
また、夜間巡回型の訪問介護看護の事業所の設立が進んでいないこともあり、夜間の介護の担い手は、家族に委ねられている現状があります。

介護疲れから殺してしまうという痛ましい事件が報道されることがあります。
原因は介護負担がお一人に多くかかっていたことと寝不足であるという結果がこの前ニュースになっていましたね。

介護殺人 加害半数「不眠」 毎日新聞調査

よって、家族でどれだけ介護を分担できるかが重要と思います。
が、他親族に頼ることの出来無い方もいるのも現実。

介護保険外サービスは、介護保険ではできないことや足らないことを提供します。
どちらかといえば、独居高齢者の家事支援や、軽度介護、そして、介護者支援というイメージが強いかと思います。

私は、そうではないと考えます。
自宅での「看取り」のような重介護、そして看取り期の介護者支援こそ、介護保険外サービスの役割ではないでしょうか。

私は、上記事例の経験から、そう強く感じています。


4.看取り介護における、入所施設の重要性

私は、現在の介護保険外サービスの会社を設立する前、介護付き有料老人ホームに勤めていました。
施設でも多くの方をお看取りさせていただきましたが、利用者ご本人もご家族も、安心して安らかな最後を迎えてくれていたと感じています。

やはり、看取り介護となると、施設の方が安心できます。

今年の介護報酬改定で、特養は看取り加算が充実されました。

平成27年介護報酬改定(特別養護老人ホーム)

ということは、国は、特養に看取り介護の充実を求めているということ。

みずほ情報総研の「多死社会における看取りの選択肢」という記事内にも書かれていますが、看取り実績の無い施設も多くあるという現実があります。

多死社会における看取りの選択肢の記事はこちらから

私は、看取り介護は日々の介護の延長線上にあると思います。
入所施設での看取り介護を求められている今、看取り介護の実績の無い施設は、一歩踏み出してほしいと感じます。


5.まとめ

自宅で看取るということ。

とにかく、夜間巡回型訪問介護看護事業所の充実。
そして、自社サービスの宣伝ではありませんが、介護保険外サービスが看取り期等の重介護期にも多く利用されること。

少しでも、介護者(家族)の負担を軽減してきたいですね。


(文中の意見や言葉は、筆者の個人的見解です)

〜 声掛け ~ 介護職として必要なこと③

みなさま、こんばんは。

自費介護サービスYKB代表の吉田です。


〜 声掛け ~ 介護職として必要なこと③


介護とは、介護サービス利用者だけでなく、そのご家族も含め、ケアしていく必要があると私は思います。
そして、ご家族とお話をさせていただく機会も多くあります。

私は仕事上、介護現場に出入りすることがありますが、その際、少々残念な話が聞こえてきました。

多分相談員さんなのだと思いますけど、その方が利用者のご家族と思われる方に、
「○○さん、最近私たちの指示が入らなくて・・・」
とお話をしていました。

皆さん、どう感じますか?

私は、違和感しかありません。
というか、聞こえてきたときは、ぞっとしました。

その相談員さんは、多分、悪気はないでしょう。
それだけ、職業にどっぷりなのかもしれません。

でも、受けての気持ちを少しでも汲み取る姿勢は必要だと思います。

あくまでも、介護施設は生活の場であり、そこでの主は入居者なのです。
我々は、その入居者の自立支援をするわけです。
その入居者に対して、「指示」という言葉というか感覚というか、やはり違和感しかないですね。

でも、これが介護現場の現実なのかもしれません。
医療色が強いのかもしれません。

最近は聞かなくなったなと思っていましたが、まだあるのですね。

聞いたご家族も確実に違和感はあったと思いますよ。

(文中の意見や言葉は、筆者の個人的見解です)

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