みなさま、おはようございます。

自費介護サービスYKB代表の吉田です。


腰痛










介護人材確保対策③ ~労働環境について~

介護人材確保対策① ~賃金について~
介護人材確保対策② ~仕事のやりがいについて~
に続きまして、最後は労働環境について書かせていただきます。



1.意外と腰痛予防対策は人材確保に繋がる

介護の仕事に腰痛はつきもの。
この業界、腰痛予防対策は必須と言われ続けていますが、確実に予防することは難しいようです。
ベッドの上げ下げや入浴設備の整備等ハード面での予防と、ボディメカニクスの活用等ソフト面での対策。
いくら気をつけても、腰痛になってしまう時はあります。
そして、介護職員の離職理由の中で、腰痛は常に高い順位になっています。

では、腰痛予防策で効果のあるものはなんなのでしょうか。

実は、腰痛予防体操を業務前に実施することが意外と効果があるのです。

以下に、厚生労働省が平成25年6月に改定した腰痛予防指針のパンフレットを添付します。



労災申請件数の中で、腰痛の申請が増えてきたことから、労働基準監督署においても腰痛予防は大きく取り上げられています。

優秀な人材を手放さないためにも、腰痛予防は必須と考えます。


2.時間外勤務の是正

一昔前まで、介護現場では超過勤務が当たり前というような風潮がありました。
施設介護となると、24時間365日入居されているお客様のお手伝いをします。
そして、介護の仕事には直接的にお手伝いをすることだけでなく、間接的な業務や記録類の整備等、仕事内容は幅広くあります。
こういった間接業務や事務仕事は、否応なくシフト時間外での対応となることが多くあったのです。

ここ数年は、時間外勤務への意識が高まってきている事業所も増えてきて、シフト時間内で事務仕事等もこなすことが出来ている様子も感じます。

介護の仕事は肉体的精神的疲労があり、そこに時間外勤務が多くのしかかってきた場合、疲労はピークを超え、上記1に記載した「腰痛」を誘発してしまうことがあります。

仕事とプライベートをしっかりと分け、ワークライフバランスが構築できている事業所は、離職率も下がり、新規入職者も増えることでしょう。


3.やっぱり夜勤が辛い

介護施設には夜勤がつきもの。
これが中々厳しいのです。
現在、多くの施設が夜勤は2日分の勤務時間を設定しています。
2日分ということは16時間ですね。これに休憩時間を足すので、17時間から18時間が拘束時間となります。
お客様の寝る準備、夜間の巡視・排泄介助・体位交換、起床のお手伝い等々。あっという間に拘束時間が過ぎます。
この夜勤が厳しいので、施設介護はできないと判断する介護職員も多くいるのです。
介護業界で安定的な収入を得るには施設が一番、でも、夜勤ができないからデイサービスや訪問介護で働こうと思っても収入が少なく、業界から去っていく人も少なくないのです。

このような流れから、ここ数年、夜勤を前半後半と8時間ごとに分けてシフトを作成している事業所も増えてきています。
このようなシフトを作成する中での課題は、深夜に帰宅・出勤できる近隣住民での採用を進めないといけないということです。


4.まとめ

3回に分けて私の考える介護人材確保対策を書いてきました。
賃金を上げるだけが、介護職がやりがいを感じることができる環境を作るだけが、労働環境を整備することだけが、各々が出来ても人材確保はできません。
全てがリンクし初めて、優秀な人材も集まり、離職率を低下させることができるのです。

人が集まらず困っている事業所の皆様は、採用活動をする前に、事業所内の様々な整備を進めることが、遠回りのように見えて一番近道の人材確保策になるかもしれませんよ。



(文中の意見や言葉は、筆者の個人的見解です)