YKBの介護改革 ~介護業界をより良くするために~

介護業界を少しでも良くしていきたいと考える、自費介護サービス「YKB株式会社」代表のブログです。

認知症ケア

~ I live my own life ~
人生を自分らしく生きる

私たちは、高齢者や、障がい・ご病気をお持ちの
介護の必要な方に充実した生活を、
そして、そのご家族の皆様にも、
充実した生活を送っていただくために、
お手伝いをさせていただきます。

改めて認知症ケアを考えてみた

みなさま、おはようございます。

自費介護サービスYKB代表の吉田です。

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●改めて認知症ケアを考えてみた

介護現場で働いていて認知症ケアは切っても切り離せないものです。
一つに認知症ケアと言っても、医療面からのアプローチと介護面からのアプローチでは大きく違います。
ここでは、介護面からのアプローチについて話します。

①介護が目指す認知症ケア
介護が目指す認知症ケアは治すことが目標ではありません。
中核症状と言われている記憶障害や見当識障害治すことは困難です。
BPSDをなくすのは難しいかもしれませんが、限りなくゼロに近づけて、利用者が落ち着いた生活を過ごしてもらうことが出来るよう、アプローチすることです。

②BPSDとは
介護職には当たり前の言葉となったBPSD。周辺症状とも言います。
昔は問題行動なんて言っていた時期もありましたね。
このBPSD、代表的なものは暴力行為や徘徊等が挙げられます。
このBPSDには利用者個々に理由が必ずあります。
その理由を見つけだし、BPSDをなくしていくようアプローチすることが必要です。

③BPSDにも個人差が
前記②でも書きましたが、個人個人BPSDが出る理由は違います。
認知症を医学的に分類すると、アルツハイマー型・脳血管性・レビー小体型・ピック病等々、複数に分類されています。
医学的な分類に合わせ、介護的な観点から、「何故このようなBPSDがでるのか」を利用者個々で検討していく必要があります。

④認知症を発症した方々は自分の世界を作り出す
認知症を発症し中程度の進行が認められる方々は、自分の世界を作り出すことが多いです。
一番自分らしい時代に戻っている。
理想の自分になっている。
などなど。
この自分の世界はBPSDをなくすためにはとても重要です。
介護する側が、その方の世界を理解せずに、現在の世界の中でケアをしても、ケアを受ける利用者は理解できず、余計に穏やかな生活が送れなくなります。

⑤介護現場で陥りやすい問題
介護職は認知症ケアについて必ずと言っていいほど勉強をします。
資格取得の際には確実にカリキュラムに入っていますし、働き始めてから事業所での研修もあります。
認知症とは、中核症状とは、BPSDとは、認知症ケアは利用者に寄り添うことから、などなど。
確実に学んでいるのに、それをあまり活かしきれない介護職が多いように感じます。
基本は基本として、認知症ケアに重要なのは応用です。
例えば徘徊。
ずっと歩いている理由には何かあるはずなのです。
その理由を考える際にとても重要なのが、その利用者の生活歴にあります。
その方が歩き続ける理由。どこかに行きたいのか、何かをしたいのか。個々人によって違いはあり、個々に合わせたケアが必要になってきます。
介護現場で認知症ケアに注力をしていないところでは、徘徊をする理由が乏しかったりします。
トイレに行きたいのではないか、夕方になると落ち着きがなくなる人は多いから、などで済ましてしまい、その徘徊という行動を抑制することだけに頭がいってしまうのです。これでは、BPSDをなくす介護ではなく、BPSDを抑える介護ですね。
認知症ケアというものを知っていても、応用を効かせ個別ケアを提供できずにいる介護現場が多いと思います。
この問題、理解度が低いだけでなく、人員不足からも考えられます。
施設介護では個別ケアをしたくても、その利用者個人に職員一人付きっきりできない現実があり、日々、大事なことが薄れていくことも正直なところです。

⑥最後に
認知症ケアに重要な事。
その人の世界の住人になること。
我々介護職は、演技力が必須だと思います。
その方の行動を抑制するのではなく、その方の世界を理解し共存することが、BPSDを減らすことに繋がり、利用者が穏やかに過ごすことができます。
その様な利用者が増えると、施設介護現場全体が穏やかになり、介護職も働きやすい現場になります。
認知症ケアの充実は、利用者のためだけでなく、介護者のためでもあるのですね。

(文中の意見や言葉は、筆者の個人的見解です)



認知症をお持ちの高齢者への接し方

みなさま、おはようございます。

自費介護サービスYKB代表の吉田です。


認知症をお持ちの高齢者への接し方で重要なのは、その方の世界に同居するということかと思います。

症状が進んでしまっている方は、現在の時代ではなく、頭の中で別の時間が流れています。
その方にとって一番良かった時期なのか、女学生の頃や、若い時に戻っていることが多いです。

そんな方々が、徘徊してしまう時や、感情を大きく出してしまう時には、必ず理由があります。
その理由を解消できればいいのですが・・・とても難しいです。
その方の世界に入りこみ、役を演じきることで、多少なりとも、その方の心の安定には繋がります。

現場の忙しい中で「演じきる」のはとても難しいことですが、介護職としてとても重要なスキルの一つと思います。
また、一人の職員が実施するだけでは足りませんので、「チームケア」が必要になってきます。
職員一丸となって対応した結果、その方の周辺行動が緩和された時は、なんとも言えない達成感があります。

昨今、認知症も原因や対策が少しずつ解明され、「治る」時がいつか来るのではないかという期待も膨らんでいます。

人間は生まれて子どもの時期を過ごし、青年期・壮年期・高齢期を経て、また子どもに戻る。

認知症をお持ちの高齢者が時たま発する「切ない」「ここで死ぬのか」「何もわからないんだよ」という言葉、本当になんともやりきれない気持ちになります。

現在政府が進めている「オレンジプラン」。
メディアでも認知症についての特集が組まれることが多くなっています。

認知症高齢者が住みやすい地域づくり。
正しい理解者が増え、皆が手を取り合って取り組んでいかなければならない、大きな問題です。


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認知症の人のつらい気持ち



みなさま、おはようございます。

自費介護サービスYKB代表の吉田です。


介護職に就き、一番難解なもの、それはやはり認知症ケアです。

認知症そのものを学術的に理解したところで、目の前の認知症の方に対するケアに直結することは少ないです。
とはいえ学術的な知識も、もちろん必要です。
アルツハイマーなのかレビー小体なのかで症状も変わってきます。
そういった種別や症状を理解するだけでも、対応方法が分かることもあります。

ケアをする際に、最も必要なことは、その方が何を想い、何を感じているかを介護者が理解することですよね。

この本は、川崎幸クリニック院長である杉山医師が監修した、認知症を患っている方々の想いを中心に書かれた本です。
イラストを交え、介護者の気持ちにも寄り添った内容となっています。

読んでみて、忙しさにかまけて忘れかけていたものを、思い出させてもらった気がします。

 
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