みなさま、こんばんは。

自費介護サービスYKB代表の吉田です。

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介護現場での高齢者虐待の原因は人員不足と業務過多なのだろうか

読んでくださっている皆様は、どう思いますか?

先日興味深いアンケート結果が公表されていました。

UAゼンセン日本介護クラフトユニオン(NCCU)が出した、高齢者への虐待に関するアンケートの結果です。

介護のニュース「JOINT」のページはこちらから
 
高齢者への虐待について、考えられる原因を3つまで選択してもらった項目をみると、
最も多いのは54.3%の「業務の負担が多い」とのこと。
その他は、
48.9%の「仕事上のストレス」
42.8%の「人材不足」
35.3%の「職業倫理や介護理念の薄れ」
等々。

 
自由記述の欄では、
 
「虐待の1番の要因は人材不足と過密労働。大幅な改善は難しい」
 「報道される事件は氷山の一角。結局は職員の感受性による所が大きいものの、職業倫理を浸透させるような時間や余裕はない」
 といった意見がみられました。

そして記憶に新しい、川崎の有料老人ホームでの職員による殺人事件。

その時期にネットの中では、
「介護職の私たちも入居者から虐待を受けている」
というニュアンスのTwitter等を多く見る機会がありました。。

匿名だからということもあるのだろうけど、あからさまに我々も被害者だと発言している様をみて、驚愕したことを今でも強く覚えています。

高齢者虐待は単純な話ではありませんが、「介護は人員不足で大変だから」「介護業界は業務負担が多いから」「介護職員も虐待を受けているから」という理由が、介護職員が起こす高齢者虐待事件を正当化する原因とはなりませんよね。
そして、高齢者虐待の多くは家族が起こしているということ。

では、どうしたらよいか。
家族による介護負担を軽減するため、公的介護サービスを内容や金額等、様々な面から拡充する必要があります。
これは、現在の政府案でも特養の増設や介護職員の処遇改善策が出ています。

その流れで、高齢者の受け皿が増えたとしても、介護のプロが虐待を起こしていたら本末転倒です。

介護現場での介護職員の業務負担を減らす策としては、可能な業務は全てアウトソーシングし無駄な業務を省くこと等、業務改革はもちろんですが、介護職員のレベルアップも必須と考えます。

認知症ケアといっても、高齢者お一人お一人に対し、対応は違ってきます。
そして、その症状は本当に認知症の周辺症状なのか、若しくは、薬の副作用なのか。それとも、他の上記からきているものなのか。
その判断を間違ってしまうと、対象のお客様の症状も改善されず、職員の業務負担は拡充するばかりです。
介護のプロとして知識や技術の習熟することと、医療部門との強い連携と協力体制が重要ですね。

上記NCCUのアンケート結果の記事に、
「虐待を無関係と思うのではなく、自分とすぐ隣り合わせにある問題として捉えている、介護職員の強い問題意識がうかがえる」
とありました。

今そこにある危機として、介護のプロ達皆が問題意識を持つことが、介護業界をより良くする第一歩と考えます。

(文中の意見や言葉は、筆者の個人的見解です)